みなさん、いかがお過ごしでしょうか
こんにちは! サヘランです
ものごとには、じつに多岐にわたって選択肢”パラレルワールド”があるものです!
当ブログで取り上げたように
ある出来事が起きる、瞬間に潜むであろう選択肢(物理学的多世界)もあれば
それから、僅かな時間の脳神経的な選択肢(自由意志を挟む余地)もあれば
その先の、経験の蓄積による心理的な視野の制限(RASとスコトーマ)の選択肢もありました。
今回さらにその先には、遺伝子の発現の仕方さえ変えてしまう「エピジェネティクス」による選択肢とその有力な方法であると思われる「ホルミンシス」という刺激の与え方に焦点を当ててみたいと思います。
それではみなさん、しばしのお付き合いのほど
「エピジェネティクス」は人間の能力は氏か育ちか?の答えになるか否か
米イリノイ大学のジーン・ロビンソン教授らの“育ち”が遺伝子に与える影響について実験を行った研究論文によれば
“養子”に出された代々穏健派のイタリアミツバチは、養い親のアフリカナイズドミツバチ(以後キラー・ビー)と同じようにキレやすく攻撃的になり、逆にイタリアミツバチに育てられたキラー・ビーは、育ての親に倣っておとなしくなるといいます。
詳細な遺伝子解析の結果、キラー・ビーの5~10%の遺伝子が警戒フェロモンに反応し、個体をより凶暴化させるのと同様に、イタリアミツバチは警戒フェロモンの影響により、温厚から獰猛な性格になるように、「遺伝子のスイッチ」が大きく切り替わっていたということでした(イタリアミツバチの生まれもったゲノムの塩基配列はもちろん変わっていなかった)。
エピジェネティクスは「エピジェネシス(後成説)」と、「ジェネティクス(遺伝学)」を起源とし「遺伝子の上にさらに修飾が入ったもの」などという用語です。
具体的には、エピジェネティクスは、個体発生や細胞分化の過程をはじめとして、重要な生命現象における必須のメカニズムでもっとも重要な機構の1つはDNAメチル化、「DNAメチレーション」です。
これは例えば、赤血球をつくるときは白血球をつくる遺伝子は必要ないので、使われない遺伝子にメチル基(-CH3)という印をつけます。そしてメチル基がついた遺伝子は、ヘテロクロマチンという非常に使いにくい状態で保管されてしまいます。
これによって、赤血球をつくる遺伝子のみが発現し白血球をつくる遺伝子は封印された状態になります。関連記事は、ブログカードからご覧ください。
このように、あらゆる遺伝子発現は染色体の「エピジェネティック状態」によってコントロールされています。
この生物の発生初期に特にかかわるように見える”エピジェネティック時計”は、全ての細胞に備わり、1つですべてを統一する時計で、胚の発達、幼児期の成長、性的な成熟、大人の老化などを生涯に渡って管理していると想定されています。
つまりは、今日のエピジェネティック状態はどのホルモンが血中を循環するかを決定し、血液因子の一部は細胞のなかに戻り(フィードバック)、細胞核のなかに入り込んで、明日のエピジェネティック状態をプログラムするのです。
驚くべきことに「エピジェネティック」という生体時計の進み方の”鍵を握っている”のは、私たちの生涯(肉体的・精神的)経験だったということです!
「ホルミンシス」という刺激への適応が導く「遺伝子発現」のオンとオフ
みなさんは誰も、外的環境が生体に何世代にも渡って作用し、気の遠くなるような長期間の間に「遺伝子の本体」を変化させていることに疑いを持ちませんよね。
ジョシュ・ミッテルドルフ、ドリオン・セーガン共著『若返るクラゲ 老いないネズミ 老化する人間』(集英社インターナショナル)によると
動物は困難に直面すると寿命が延びます。飢え、重労働、極度の暑さや寒さ、微量の毒、さらには放射線にも寿命を延ばす効果があると分かりました。
長期に渡るストレスとなる”環境の変遷”は、その種の存続にも関わる大問題ですよね!種を存続させようと困難に立ち向かおうとします。
「ホルミシス」はストレスへの適応における過剰補償を意味する専門用語です。
ストレスに対し過剰補償をかけるように「エピジェネティック状態」をコントロールしているとしても不思議ではありません。
代表的な生体に「ホルミンシス」を起こさせる例としては
第1は断食による飢えによる負荷
第2は運動による筋肉と骨格への負荷
ですが、これはきっと、人類30万年のうちの29万年が”狩猟採集生活”であったことと無関係ではありませんね
「ホルミンシス」となる身体への負荷となる範囲は個人によって異なってきますので、取り入れる場合特に気をつけてください。
第3以降の寒暖差のストレスや、嗜好品による刺激のストレスは現代ではコントロールし辛いように思えます。
そう考えると、熱中症対策などはしっかりして刺激物はなるだけ取らないように心掛けるのが得策ですよね!
「ホルミンシス」については関連記事があります。ブログカードからご覧ください。
遺伝子と環境の間。氏と育ちの隙間。そこに「エピジェネティックス」が作用する!
「エピジェネティックス」すなわち有機分子はひとたび化学装飾が起こると、長い間、時には一生付着することとなります。
最近の研究では、ライフスタイル、食生活、社会的変化、環境状況、また心理的な変化によっても、「エピゲノム」が変化することが明らかになってきました。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のスティーヴ・コール博士によると、彼らの研究チームは、幸福感が免疫細胞に及ぼす影響についても追求し、驚くべきことに幸福の種類によっても免疫細胞の「エピゲノム」が変化すると発表されているのです。
約2万2,000というヒト遺伝子が親から子へ伝えられても、その遺伝子のスイッチのオンとオフの主導権は当の世代に握られているという事実があるのです。
そしてその反面、「エピゲノム」そのものが2世代にわたって遺伝子することも分かってきています!
私たちの細胞は毎日死に、そして毎日新しいものが生まれています。新たに分裂した細胞には、「エピゲノム」の情報が正しく刻まれ、それはまた新たな細胞をつくり出しています。
このことは「遺伝子ゲノム」のもつ硬い普遍的イメージから、「エピゲノム」のもつように柔らかい流動的イメージを持つことが、今後の時代に生きる私たちに大切なことになって来るのではないでしょうか。
そうすると、○○○は遺伝だからしょうがないと考えるよりは、「遺伝子発現のオンとオフ」で○○○はいくらでも変えられると考えた方が有利ではないでしょうか! (○○○には肥満体質などが入ります)
「ホルミンシス」などの刺激から「エピジェネティクス」で新たなパラレルワールドへ
いいかがでしたでしょうか、
「エピジェネティクス」で進むべき、あなたの新たなパラレルワールドが見えて来たでしょうか
断食や運動などの刺激は「ホルミンシス」として作用し、狩猟採集時代の「エピゲノム」を目覚めさせる強力な手段になってくるのではないでしょうか
そこには、飢えることの少なくなった穀物栽培後の1万年にない、人類30万年のうちの29万年分もの、”遺伝子の知恵”が備わっている可能性があります!
サヘランですが、日常的に「ファスティング」と「スローランニング」とを取り入れています。地球温暖化?もあり暑さ寒さにはエアコンで無理をしていません。酒やコーヒーなどの刺激物は量を加減しほどほどにしています ^ ^;
みなさんの今後のなにかの、参考になるならば幸いです!
今回も、最後までご覧いただきありがとうございます
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