「エピジェネティクス」統一的身体時計、遺伝子発現パラレルワールド

トウモロコシ品種 マイクラ街
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 みなさん、いかがお過ごしでしょうか

こんにちは! サヘランです

あなたの周りに時計は幾つありますか?スマホの時計に、腕時計そして壁掛け時計に目覚まし時計と必要な場所に便利なように時計があると思います。

じつは体内にも時計があり、必要な場所で必要な時に使われていますが、最近スマホの時計のようあらゆる場所で使われているであろう、第3の時計の候補として「エピジェネティクス」が有力です!

この時計は、外部環境で「相対性理論の時計」のように進んだり、遅れたりするようようなのです

「エピジェネティクス」の働きを知ることで、遺伝子発現の新たなパラレルワールドへと踏み入ることが出来そうです!

それではみなさん、しばしのお付き合いのほど

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2つの「寿命時計」を凌駕する、第3の「遺伝子発現の時計」とは

ジョシュ・ミッテルドルフ、ドリオン・セーガン共著『若返るクラゲ 老いないネズミ 老化する人間』(集英社インターナショナル)によると、わたしたちはすでに、2つの寿命時計を発見しています。

細胞に老化をもたらす幹細胞のテロメアの短縮が1つもう1つは胸腺の退化で、これは免疫システムの衰弱につながることのようです。

ところが、これらの短縮や退化が生涯見られなくても老化して死ぬマウスやブタなどの例外が多数見つかることで、統一的な時計とはいえなくなりつつなってきています

著者は「遺伝子発現は、それ自体が時計を持っている」という説を支持し、「エピジェネティクス」をその候補に挙げています

DNA模型と砂漠
DNA模型・イメージ

エピジェネティクスは「エピジェネシス(後成説)」と、「ジェネティクス(遺伝学)」を起源とし「遺伝子の上にさらに修飾が入ったもの」などという概念です。

私たちの体は皮膚、胃、肝臓など様々な組織から出来ており、これらは別々の細胞で構成されています。どの細胞も基本的には同じ遺伝情報を持っているのに、別々の細胞になれるのは、使う遺伝子と使わない遺伝子に目印をつけているからです。この目印を印加する機構がエピジェネティクスです。

エピジェネティクスは、個体発生や細胞分化の過程をはじめとして、重要な生命現象における必須のメカニズムで、主要な制御機構は、DNAメチル化とヒストン修飾です

「エピジェネティクス」で遺伝子発現の「スイッチをオンとオフ!」

 では「エピジェネティクス」で、もっとも重要な機構の1つDNAメチル化、「DNAメチレーション」を簡単に説明します

遺伝子の本体であるDNAは4種類の部品(A, T, G, C)でできていますが、その1つ C (塩基部分)に1つメチル基-CHがくっついた (遺伝子に印) というものです。メチル基は炭素1個と水素3個でできていて非常に小さいので、遺伝子に印がついたとしても遺伝子情報そのものには影響しません

分かりやすいように、書類を整理する場合を考えましょう。あまり使わなくてファイル棚にしまってもよい書類には付箋をつけることにします。あなたが付箋をつければ事務員がどんどんしまいこんでいきます。

もちろん、捨てたわけではないので、また必要であれば探し出して付箋をはずせば手元においておくことができます。

遺伝子の場合は、使われない遺伝子にメチル基という印をつけます。そしてメチル基がついた遺伝子は、ヘテロクロマチンという非常に使いにくい状態で保管されてしまいます

もう1つの機構のヒストン修飾は、ファイル棚に付箋を貼ってファイル棚ごと使わないようにするようなイメージです。

ヒストン修飾
DNAメチル化とヒストン修飾・イメージ:引用元 National Cancer Center

例を示すと、白血球と赤血球の違いは、赤血球を赤くしているタンパク質ヘモグロビンは赤血球以外では作られません。なぜならば白血球の細胞ではヘモグロビンをつくる必要がないので、ヘモグロビン遺伝子はメチル化され、間違ってつくられることのないように封印されています。

「エピジェネティック」という時間の進み方の”鍵を握っている”のは、あなたの生涯(肉体的・精神的)経験だった!

 先にみたように、遺伝子発現は染色体の「エピジェネティック状態」によってコントロールされています。

今日のエピジェネティック状態はどのホルモンが血中を循環するかを決定し、血液因子の一部は細胞のなかに戻り(フィードバック)、細胞核のなかに入り込んで、明日のエピジェネティック状態をプログラムする。

これが”エピジェネティック時計”という概念の背景にある考え方となります。

全ての細胞に備わり、1つですべてを統一する時計で、胚の発達、幼児期の成長、性的な成熟、大人の老化などを管理していると想定されています。

そうすると、アポトーシス(細胞予定死)、テロメラーゼ制限、免疫機能障害などは、老化プログラムのオプションとして派生的に補充されている機構なのかもしれないとなるのです。

事実、脳や皮膚の老化は胸腺の老化という”体内時計”との明らかなつながりが見られないのです。

この活動はすべて、ホルモンや、RNAや、血しょう中のそのほかの因子のさまざまな組み合わせと量とによって調整されているとされるからです。

ようするに、両親から受け取った遺伝子群全体は変えられなくとも、個別の遺伝子が発現するかしないかは人生の途中でも変化し得るということです!

エピジェネティクスでは、今日の状態が明日のエピジェネティクスを決めるという仕組みとなると、個体の肉体的・精神的経験のすべてが何らかの形で明日のエピジェネティクスに影響を与え得るということなのです!

その肉体的・精神的経験一つが「ホルミシス」に代表されるような刺激と思われます。関連記事はブログカードからご覧ください

さらには、最近の研究でこのエピジェネティクス機構が子から孫へ2世代に渡って、受け渡されることが明らかになって来ています!

DNA転移
DNAのメチル化転移・イメージ:引用元 National Cancer Center

細胞が分裂する際にはDNAも複製されます。複製された直後のDNAは、新しく作られた方のDNAがメチル化されていません。しかしながら、DNAメチル化を複製するタンパク質 [DNAメチル基転移酵素1] の働きによりDNAメチル化も複製されるのです。

第3の時計「エピジェネティクス」に気づき「新たなパラレルワールド」を歩む!

 みなさん、いかがでしたでしょうか

「エピジェネティクス」という統一的な身体時計、遺伝子発現をコントロールしあなたの新たなパラレルワールドの道しるべとなるものについて

やはり注目すべきは、今日の状態が明日のエピジェネティクスを決めるというその仕組み、個体の肉体的・精神的経験のすべてが何らかの形で明日のエピジェネティクスに影響を与え得るという点です‼

たとえば、老化を遅らせる”適度なストレス”が引き金となり、さらに肉体各部の”細胞の時計”の進みを遅らせるとしたら、そのことを感じる私たち自身が「新たなパラレルワールド」を歩んで人生を送っているのが目に浮かんできます!

みなさんの、第3の時計「エピジェネティクス」の気づきの一助になれたなら幸いです!

サヘランですが、誕生日の回数があまり意味を持たない気持ちになっているのは、もしかしたら第3の時計のせいかもしれません(笑)

それではみなさん、最後までご覧いただきありがとうございます

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