こんにちは! サヘランです ごきげんいかがでしょうか
今日のお題は、ディズニーなどのファンタジーの世界とヒトのかかわりの話です!
実在しない『想像の産物』をほかの誰かに伝えることができたとき、人類の『夢見る能力』『文化の歴史』が幕を開けた…
われわれ現生人類にはネアンデルタール人と共通の祖先から分かれる約60万年前には、すでに現代のような音声器官が備わっていたと考えられています。
そして音声器官の形態から生活に使用していた“単語”の数も、現在とさほど変わらなかったと思われています。
その一方で、洞窟壁画、住居の建設、献花など伴う埋葬、骨製の道具の専門化など、現生人類の想像力をおもわせる「文化的創造性」は、7万年前よりも以前には発見されていないのです…
この“文化的空白”の50万年間──音声器官の発達と想像力の獲得の間に横たわる長いギャップとは? 7万年前の想像する力の獲得に至ったのは、その時期に何が起こったのだろうか?
それは、脳の前頭前野の発達を遅らせる、突然変異だった!
ボストン大学の神経学者アンドレイ・ヴィシェドスキー博士が「Research Ideas and Outcomes」参照記事で表明したもので、脳の発達の遅れという突然変異だとのことです。
ヒトの前頭前野は霊長類のなかでも極めて発達が遅く、だいたい20代半ばから30歳くらいまで発達し続けるようです。
ヴィシェドスキー博士は、子どもの脳が成長するなかでの言語的理解の段階に焦点をあてます。
前頭前野による、知覚世界と内なる思考の合わせ技が、文化形成のための想像力を得るのに必須だったとします。
博士は、脳の外側前頭前野には「記憶にあるもの」と「単語」や「文法」を統合し、まったく新しいものを頭のなかで想像することを可能にする機能があることを突きとめます。
そして興味深いことに、外側前頭前野に損傷がある場合、人は物と物の関係や、相対性を表す文章が理解できなくなるといいます。
例えば「カラスは賢い」というシンプルな文章は理解できても、「カラスはスズメよりも賢い」となると、どちらが賢いのかわからなくなるとのことです。
「太陽が海から登る」、「夏は秋の前に来る」などの上下や前後の関係も理解できなくなってしまいます。
記憶のなかの複数の単語を意味のあるメンタルイメージとして合成するプロセスは、「メンタル統合(Mental Synthesis)」と呼ばれています。
ウォルトディズニーも絶賛?『メンタル統合能力』の重要性!
例えば「父がかつて溺愛していた犬」を想像してみて下さい。
いったん言葉の再帰(入れ子)構造が理解できるようになると、
「母は『父がかつて溺愛していた犬』にそっくりな犬を飼った」
「『母は“父がかつて溺愛していた犬”にそっくりな犬を飼った』と姉が言っていた」
といった具合に、次々に文をつなげて永遠にイメージを膨らませることが可能になるということです。
「単語の柔軟な組み合わせと入れ子構造は、すべてのヒト言語に特徴的な機能です。このため言語学者は現代的な言語を『再帰言語』と呼んでいるのです」
と、ヴィシェドスキー博士は言いいます。
この複数の単語が複雑に組み合わさった、入れ子構造の文章が理解できるかどうかは、受け手の前頭前野外側での「メンタル統合」能力にかかっているといえます。
例えばディズニーの施設、エリアにおいては、すべてのものが舞台装置として設定されたテーマをもとに統一されています。
その中でゲストは冒険、歴史、ファンタジー、未来をテーマとした日常の生活には存在しないような憧れに彩られた世界を、人間の持つ五感すべてを使って楽しむことができます。
ウォルトディズニーがもし生きていたら、「我がカンパニーの柱はメンタル統合能力である!」と絶賛していることでしょう。
文化的開花のために人類が乗り越えた「2つの障壁」とは
一つには、メンタル統合スキルを習得できる期間が、長くなければならないということです。
現在の子どもは5歳前後まで言葉の再帰構造の習得が可能だが、これがいまだ言葉があやふやな2歳までとなると無理があるからです。
このことから、脳の前頭前皮質の成熟を遅らせる突然変異があったというのが有力な説となります。
「前頭前皮質遅延」は、生存という視点で見ると有害だったと思われます。
論文によると、3歳のチンパンジーの子どもは母親からよく離れて冒険するが、水場に近づくことはめったにありません。
前頭前皮質の迅速な成長が、水は危険なことを理解させるようなのです。
これとは対照的に、4歳未満のヒトの子どもでは溺死が主な死因です。
小さなお子さんの親ごさんは、この点に大変に神経をつかってらっしゃいます。
二つめには、脳の構造がいかにメンタル統合に適していたとしても、親が子どもに再帰言語を教えられなければ、子どもがそれを習得することはないとのことです。
この障壁をクリアするには、前頭前皮質の突然変異を持ったふたり以上の小さな子どもたちが、互いに会話しながら長い時間を過ごし、再帰言語を“発明”したはずとのことです。
この過程は、ローマの伝説的な建設者である双子の兄弟ロムルスとレムスにちなんで、「ロムルスとレムス説」と名付けられました。
伝説では、この兄弟は狼に育てられます。
狼によるコミュニケーションは“動物的”なもので、多くの“単語”はあっても再帰構造はなかったはず。
なので獣の“親”は再帰言語を教えることはできず、ふたりが洗練された言葉を話すには再帰的な要素を発明しなくてはならなかったのです。
再帰言語の自然発生は、1970年代から80年代にかけて、ニカラグアの聴覚障害がある子どもたちのなかで実際に観察(=ニカラグア手話)されています。
メンタル統合能力だけは、だいたい5歳くらいまでの幼児期に再帰構造のある言葉に触れておかないと、大人になってもこれを習得することはできないと確かめられています。
5歳までに難しい再帰言語に晒されることで鍛えられるメンタル統合スキルが必須なのです。
これこそが、人類の「現代的行動」の基盤となる発想力や文化的創造力に大きく貢献したのだとヴィシェドスキー博士は述べています。
脳の発達の遅れがもたらした『夢、文明社会、未来ビジョン』
いかがでしたでしょうか、文明社会をつくり夢を実現し、未来のビジョンを見い出す「メンタル統合(Mental Synthesis)」能力は、誰もが認める価値に違いありませんね(^^)!
もう一つそのきっかけとなった、突然変異などでの器官の発達の遅れはどうでしょう?
一見マイナスの要素ばかりにみえますが…180度ほどもプラスに反転した例の典型でしょう。
これは障害をもった方にも優しい社会と成って行くことは、人類の歩みに必須の価値だということですね!
カミングアウトするとサヘランですが、発達障害のグレーゾーンが濃いっ かも!?
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