こんにちは サヘランです! みなさんいかがお過ごしでしょうか
みなさんは、魔法のように涼しくなれっ!と、時計の針を合わせるように、季節や時間を進めたくなることありませんか?
そこで、今回の記事は時間についての著書で理論物理学者のカルロ・ロヴェッリのベストセラー『時間は存在しない』からです。
C・ロヴェッリ氏は故スティーブン・ホーキング博士の再来といわれるほどの、天才物理学者と称されています。
「ループ量子重力理論」では、空間のみならず時間の量子化で時間はゆらぎ、未来の原因が現在の結果を決めているということも起きて、矢のように”一方向にのみに進む時間”はないといいます。
では、時間をめぐる、最近のお話に、しばしの時間(笑)お付き合いをいただきます!
例によって、著書『時間は存在しない』のネタバレがあるかもしれませんので、ご注意ください。
「ニュートンの絶対時間」時間は過去から現在、そして未来へと流れている。
ごく初期の文明では時間とは日時計の影の動き、紀元前16世紀ごろにはバビロニアなどで水時計がつくられ、14世紀ごろに使われ始める砂時計のように時間を測ることに利用されていました。
クリスチャン・ホイヘンスが1656年頃振り子時計を完成、その後、機械式振り子時計(振り子の等時性をもつ)が普及するにつれて、「時間は常に一定の速さで流れる」という考えが人々に定着していきます。
イギリスの科学者アイザック・ニュートンは1687年の「自然哲学の数学的諸原理」という本で「宇宙のどこに置かれていても、すべての時計は、無限の過去から無限の未来まで変化せずに同じペースで同じ時間を刻む」という時間の概念を述べます。
そして、現代の宇宙論と異なり「空間はどこも均質で、無限に広がっている」として、宇宙の「絶対空間」にながれる「絶対時間」という彼の「ニュートン力学」の地盤を固めます。
わたしたちが、日常の生活で「時間」と単純に思っているのは、20世紀になって「相対性理論」が出てくるまではずっとこの「絶対時間」でした。
「アインシュタインの時空」の物理学によりでてきた「はやくも、ゆっくりも進む時間」
アインシュタインの「相対性理論」では、時間と空間は切り離せない(不可分の)物理量で密接に関係しあっている。
高い速度で宇宙空間を移動する、人工衛星の中の時計は「ゆっくり進む」し、地上に備え付けの時計の方が「はやく進む」ようになります。この”ウラシマ効果”は速度が、光速度に近づくほど顕著です。
重力の影響で空間が”曲がってる”地上にいる人では、時計は「ゆっくり進む」が重力の影響が少ないスペースラボ中の人の時計は「はやく進む」のです。この効果はその星が重い(曲率高い)ほど顕著です。
このような影響は、実際に人工衛星を使ったナビゲーションシステムの運用で計算されています。
極端に重力が強い”ブラックホール”の表面では時間の進みが止まり「時針」は止まってしまいます。
アインシュタインの予言した”ブラックホール”は実際に宇宙に多数見つかって報告されています。
「ループ量子重力理論」による「時間」のとらえかたとその価値
宇宙空間や重力など大きなスケールを得意とする「相対性理論」と原子や素粒子以下の微細なスケールを得意とする「量子力学」ですが…
この「2つの理論」を組み合わせて、空間、時間、重力を取りあつかえるように考え出されたのがカルロ・ロヴェッリ氏も唱える「ループ量子重力理論」です。
量子は波であり粒子であり、その重ね合わせの(ぼんやりとした雲の)状態は確率で表される。コペンハーゲン解釈と呼ばれ、量子とはどういうものかを説明した量子力学の基礎的な考え方です。
この量子の考えを、アインシュタインの考えた時空と組み合わせて、それ以上の分割不可能な最小単位が存在することを記述する理論となっています。
そこからは、時間の最小単位が導き出され、大きさは1プランク秒=10-43秒と表されています。
あなたの、持っている時計の秒針は、どんな風に動きますか? カチカチと1秒ごとに動くのならばとびとびの時間ですが…その意味とは違います。
もしも時間の最小単位が1秒ならば、「0.5秒はこの世に存在しない!」のような意味になります。
つまりは、”1プランク秒よりは短い時間は、この世に存在しない!”ことになります。
時間が連続的に流れている、アインシュタイン以前の物理学ではありえない時間の捉え方ですよね。
そして、時間が量子化されると、「過去と未来と現在とがゆらぐ」ということが起こってきます。
そのゆらぎの中には、私たちの常識とちがった未来⇒現在⇒過去といった流れのゆらぎも存在します。
いいかえれば、私たちの用いる意味での「時間は存在しない」ということになってしまいます!
「時間を感じとる」ことが出来るわけと、これからの「新しい時間」の視点
「時間は存在しない」という宇宙の微細構造、これが積もり積もった時空に住む私たち…
なのになぜ、「時間を感じとる」ことができるのだろうか?
それは、「エントロピー増大の時間の矢」があるからといえますね。
例としては、熱が時間とともに高温部から低温部に流れる「熱力学的な時間の矢」さらにいうと、氷が溶けて水になるような現象、ガラスのコップを落としたら砕け散るなどの現象、生物の細胞の老化現象などです。
秩序だった構造・状態が、時間の経過とともに無秩序な構造・状態に向かっているので「エントロピー増大の法則」と言います。
まさに「無秩序さの度合い=エントロピー」が増えていくことです。
私たちは人生において、「エントロピー増大の法則」に従って「時間の物語」を作っているということになります。
C・ロヴェッリ氏の言うように、人間は、時間的視点のなかで生きざるをえません。なぜなら、人間という存在そのものが、時間的視点によってつくられたものだからです。わたしたちの”意識”は時間のなかで生じる“現象”であり、時間の感覚というものがなければ、思考も存在しません。
一方で、わたしたちの視点がいかに人為的で先入観にとらわれたものであるか、知っておく必要があります。現実は、わたしたちが直感によって得たその近似値(=エントロピー増大の法則)よりもはるかに複雑だからです。だから、いまいちばん大切なのは、幅広い文化を構成するあらゆる要素を集約し、整然とさせる能力だと思います。単一の視点で先走らないことが大切なのです。
いかがでしたでしょうか、要約すると次のようになるでしょうか
「人間として、物語としての時間は大切にするが、その物語は人為的で先入観に満ちたものだと知っている、そんな物語をかるく超越するような現実が真実として存在する可能性があるのだ」
サヘランもこのことをあらためて確認し、新しい時代を生きるヒントにしたいと思います。
今回も、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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