ポルシェ「type64」プロトタイプの価値と真の「理想のクルマ」

ポルシェ356 テトリス区
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 こんにちは! サヘランです みなさん、いかがお過ごしでしょうか

当ブログのテーマは、「価値観」をメインに展開しております。

では、あらためて「価値」とは、なんでしょうか?

公式のようなもので、表すとするとたとえば次の式のように表せます。

 【価値】=【有用性】✖【希少性】

「有用性」とは何かというと「必需」有ったら役に立つ(もう少し言うと無かったら困る)ともう一つは「楽しみ」で必要でないが人生を豊かにするものです。

「希少性」はお分かりでしょうが、手に入りにくいもの、数量が少ないものです。

今回の記事は、後者「希少性」が大きすぎて莫大な「価値」となったもの…

ポルシェ「type64」プロトタイプとクルマの原点から見た、「理想のクルマ」についての記事となります。

それではみなさん、しばしのお付き合いのほどよろしくお願いします。

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ポルシェ「type64」は一時”74億円”の入札が付くもオークション流札

 2019年8月に北米で開催されたRMサザビーズ・モントレー・オークションでのお話ですが

予想価格100万ドル越えの49台の出品車両その中でも1000万ドル越えの5台、特Aクラスの中に

なんとポルシェ「type64」予想価格2000万ドル(約21億円)として出品されていたのでした。

オークション最終日に、本命と目される、ポルシェ「type64」自走で静々とステージに上ると、始まり予想落札額を上回る3000万ドルからスタートし、激しい入札が続き7000万ドル(約74億円)にまで上昇し、世界的記録で落札されるかと思われた瞬間!振り出しに戻るという事件が起こったのでした。

スタート金額は「サーティ(30)ミリオン」ドルではなく「サーティーン(13)・ミリオン」ドルだったという主催者側のミスが発覚し、進行担当と表示担当の勘違いまで重なって、結果オークション流札となってしまったのです

ポルシェtype64
ポルシェ type64

現在のポルシェ社の起点であるDr.Ing.,h.c.Ferdinand Porsche GmbH(1931年創立)は、自動車や航空機などの設計・試作を請け負う設計事務所・製作所でした。

ポルシェ社として顧客のクルマを製造するのは戦後の1948年からですが、その前に戦前の1938年ドイツ政府からヒトラーの肝いりで有名なプロトタイプType60の”国民車の原型”フォルクスワーゲン「Kdf」を完成します。ちなみにヒトラーが首相就任し政権についたのは1933年のことでした。

翌年の1939年には、ベルリンをスタートしてオーストリアを経由してローマにゴールする、1500kmのロードレースに出場するのを目的にKdfワーゲンのレース仕様、プロトタイプ・ポルシェ「type64」が完成します。

プレス加工のスチール製フロアとボディのフォルクスワーゲンKdfに対し、ポルシェ「type64」は軽量なアルミニウム製で、飛行機と同様の製法でつくられました。

水平対向4気筒のエンジンはポルシェの技術者がパワーアップし、985㏄から32bhpのパワーを得て最高速は150km/h以上でありました。

しかし、皮肉にも時の歴史の方がはやく進み、レース開催の数週間前ヒトラーはドイツ軍をポーランドに侵攻してしまい、第二次大戦の戦時体制に突入ポルシェ「type64」の活躍の舞台はなくなったのです。

それにもめげず、フェルディナント・ポルシェの意思を受け継いだ息子のフェリーは追加で2台のポルシェ「type64」を完成させます。

ポルシェ「type64」が実際にレースに参加するのは製作から10年後、戦後の1948年にインスブルックで行われた公道レースという数奇な運命をたどります。

3台の内の1台は事故で消失、戦禍を受けた1台は修復され、ハンブルクのプロトタイプ自動車博物館に、残り1台は戦禍を免れ約46年間一個人で所有され、その間33年間に実戦レースにエントリーし、その後数名の個人が受け継いだクルマが、かのオークションで登場したクルマでした!

ポルシェ「type64」プロトタイプとクルマの原点から見た、「理想のクルマ」

 フェルディナントとフェリー父子のポルシェ戦時中に所有し、実験用のテスト車両として使われたほか、高速移動の足として使用されたポルシェ「type64」は、時代背景もありますが数奇な運命をたどりました

私なりに、こころ惹かれる理由を考えてみました。

①プロトタイプのもつ”原点的”な純粋さ
②果敢に挑みかかろうとする冒険者”魂”
③”未踏の領域”を切り開く創造力
④”情動”に訴求される造形美
⑤”非力さ”を補って余りある高性能
⑥ハードにまさる”ソフト(数々の伝承)”の蓄積
⑦”唯一無二”の絶対的な希少性

あたりが該当するのではないでしょうか。

残念ながらこんな、気骨のあるクルマは、当然ですが現代では少なくなっています。

現代のマス・プロダクション量産型では、とうてい望むべくもありませんね(汗)

でも、よーく見渡してみると”ちょっと気骨のある“クルマがありました(^^;

ポルシェ「type64」と似ても似つかないクルマで(笑)申し訳ないです。そして…

クロスカントリーをスポーツと認めるならばの条件がつきます。④だけは、見る人によって10段階で6ぐらいですが、①~⑤までならいい線いっている、クルマそれは…

わが日本が誇るSUVクロスカン“ジムニー”“ジムニーシェラ”です!

サムライ
“ジムニーシェラ”輸出車名“サムライ”

①初期型から守り抜く強靭な”ラダー(梯子型)フレーム”
②ノーマルでも”クロスカントリー”できる”冒険心”
③1トンと軽量クロスカントリーのもつ”走破性”
④車両感覚をつかみやすい“角型の造形”
⑤パワーよりも過酷な状況で“信頼性”重視のエンジン

そして偶然にも、”新型ジムニー”の車両形式は”JB64W””64”がついてます(笑)

いかがでしたでしょうか、サヘラン的な価値観でちょっと考えてみましが、みなさんにとって、クルマの「価値」とは何なんでしょう?

答えは、あるのかもしれませんし、ないのかもしれません…

【価値】=【有用性】✖【希少性】

の式に当てはめて、あなたなりに考えてみると面白いかもしれません。

今回も、最後までご覧いただきありがとうございました。

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