2023年ついに発売、パーソナル量子コンピューターのもたらす価値

量子コンピューター モンスト町
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 みなさん、ご機嫌いかがお過ごしでしょうか
こんにちは! サヘランです

西暦も2023年、某メーカーからついにパーソナル量子コンピューターが発売になりました!
記念すべき第1号機の量子PCは、1975年に発売された”IBM5100”のような存在なのでしょうか?

パーソナルコンピューターの名は、”Gemini-Mini ” 2-qubit ポータブルNMR量子コンピュータです。

時代は大きく新しい方向に”舵を切り”はじめたようです!
1人に1台のパーソナル量子コンピューターの時代も、すぐそこまで来ているのかもしれません。

そこで今回は、これを機に量子コンピューターの価値そのものについて見ていきましょう。

それではみなさん、しばしのお付き合いのほど

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原子サイズより小さいメカニズムで、計算を実用化する”量子コンピューター”

intelの共同創業者であるゴードン・ムーアが提唱した”ムーアの法則”では
「半導体の集積率が2年で2倍に上がる」ことでそのまま「処理能力の向上」を意味します。

そのムーアの法則の2次元上の限界が進んで来て、もともと集積回路は肉眼でも確認できる大きさでしたが、現在は2nm(ナノメートル)プロセスになりつつあります。

こうなると、回路づくりは原子1個(約0.1nm)を考慮してつくらなければなりませんし、微細化が進んでいくと最終的には原子の大きさという壁にぶつかります。

そこで、原子のつくり、その部品となる陽子、中性子、電子などの”スピン”という性質そのもので計算することが出来る、”量子コンピューターの優位性”が上記の限界により際立って来ています!

キュビット「量子ビット」の持つ”並列処理”能力によってもたらされる”計算回数の超合理化”

 ノイマン型の従来通りのPC計算では、通電があれば”1”、通電がなければ”0”とトランジスターで回路を組み立て2進法で加減乗除の計算と、応用となる微分・積分演算及び論理演算などを実行させています。

対して、量子コンピューターの構成する”量子ビット”では”1と0”以外に”1でも0でもない状態”の”重ね合わせ状態”をステイタスすることが出来るという大きな違いがあります。

ビットと量子ビット

最小構成の2ビットで考えても、2なので2=4の計算、”00”、”01”、”10”、”11”が必要です。

これが量子コンピューターの場合、2量子ビットの場合は1回の計算で済んでしまうのです。

例えば、20ビットで表現できる全ての入力パターンを使用して計算する場合、従来コンピュータでは、1回の入力で1つのパターンしか表現できないので、220=1,048,576回の入力と計算が必要になります。
量子ビットであれば1回の入力(20ビット)を使って、220=1,048,576パターンの値を同時に表現して計算を行うことができます

さらに、量子もつれ(量子からみ合い)を利用すると、相互作用関係を持たせた複数の量子ビット(情報)を同時に操作することができます。

量子コンピュータは、量子が持つ性質「重ね合わせ」「量子もつれ」を利用することで高速計算を実現しようとしています。

量子コンピューターの凄さは“組み合わせ爆発”に対するすみやかな解答

 私たちが今使っているPCやスマートフォンは、0と1からなる膨大な計算が実行されて、データを受け取って絵や文字にしています。

0と1は電圧の高い状態と低い状態で表し、それを電子回路で演算を行うため、電子計算機と呼ばれます。

0と1の組み合わせで問題を解く現在のコンピューターは、“組み合わせ爆発(解の数が急激に大きくなり最適解が見つけづらくなるような現象)”が起こるようなタイプの問題を解くのが苦手で、現実的な時間で解けないこともあります(暗号化の方式はこれを逆に応用)

電子や陽子などがもつ”スピン”と呼ばれる物理量は、量子状態をとることが知られていて、そのスピンの向きは上向きでも下向きでも、つまり”0でも1でもありえる”状態が起きる。この量子状態を、計算に相当する規則で、物理的に操って変化させれば、途中の0と1の状態が同時にありえるまま計算が進むコンピューターを作ることができます。

現在のコンピューターが苦手な“組み合わせ爆発”を解くことを得意とした新しい計算機、計算の結果は最終的に観測し、0か1かを確定(正確には、どの状態が最も可能性が高いかを観測)するのが量子コンピューターの並はずれた凄いところです!

米ボストン コンサルティング グループの近未来の市場予測では、「暗号」「最適化」「機械学習」「シミュレーション」の4つを、既に有望なアルゴリズムが見つかっている用途として挙げています。

「普通のコンピューターが苦手な計算が解ける」ということには無限の可能性があり、世界各国でより大規模な量子コンピューターの研究は進すすめられています。

「量子計算」を卓上で体験させてくれる”パーソナル量子コンピューター”の意味

  いかがでしたでしょうか

”量子コンピューターが見せてくれそうな近未来”は、想像できましたか?

サヘランもそうですが、現在のPCやスマートフォンの生活への広がりを、コンピューター黎明期の時代に想像できなかったように、イメージは難しいと思います(^^;

でも、今回発売された”Gemini-Mini ” 2-qubit ポータブルNMR量子コンピュータはというと

インクジェットプリンタぐらいのサイズで、本体の画面で量子計算の操作や結果表示ができるオールインワンの装置で、常温で動作するNMR(核磁気共鳴)方式で量子計算を行うものです。

Gemini-Mini量子PC
Gemini-miniの内部。中央のチャンバー内で量子計算が実行されている:引用元

「量子計算」を手軽に体感できるという「ホンモノに触れる体験」を”誰よりも早く買う”のも一理ありではありませんか?

それではみなさん、最後までご覧いただきありがとうございます

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