2023年ついに点火、レーザー”核融合の火”がともったことの価値

太陽表面 テトリス区
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みなさん、ご機嫌いかがお過ごしでしょうか
こんにちは! サヘランです

西暦も2023年、ついに点火、レーザー”核融合の火”がともりました!

米国カリフォルニア州にある国立研究所が前年12月5日に行った核融合実験で、容器に閉じ込めた水素に強力なレーザーを当てて核融合を起こし、投入したエネルギーの約1.5倍のエネルギーを発生させることに成功したと13日発表、”核融合の火”が事実上、地上でともったことになります!!

太陽は核融合によるエネルギーで輝いていて、核融合エネルギーは地球上の全ての生命の源と言えます。わずか1gの燃料で石油8トンに相当するエネルギーを生み出せることから、人類のエネルギー問題を解決する究極のエネルギー源とされています

2023年に入り、まだ小さな”火がともった”ばかりですが、限りない可能性を秘めています!

今回は、このレーザー”核融合の火”について少し掘り下げてみましょう。

それではみなさん、しばしのお付き合いのほど

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人類が手に入れた、”新たなる火”レーザーによる”核融合の火”の価値

 類人猿だった人類は、火を手に入れることで、進化し文明を加速させたことはよく知られています。

”火”は、炭化水素でできた燃料を高温にして酸素と化合させることで、酸化物質になる過程で出す”熱量(カロリー)”の「化学反応」の炎です。

この「化学反応」の火を上手く利用し、人類は他の種と”まったく異なる進化”を遂げましたよね!

質量とエネルギー等価式
質量とエネルギーの等価性

 そして2023年、レーザーによる”核融合の火”という、たぐい稀な”新たなる火”に点火できました!
複数本のレーザーにより、太陽内部の数億気圧の極限状態を地上に再現し、ついに点火したのです!!

高温・高圧下で以下の核融合反応が進みます(直接照射・中心点火方式)
   D + T → 4He + n +17.3MeV
Dは重水素 (Deuterium)、Tは三重水素 (Tritium)、nは中性子、Heはアルファ粒子(ヘリウム原子核)です

① 式中の17.3MeVの部分が、わずか1gの燃料で石油8トンに相当するエネルギーのゆえん
② 反応の特性上から、何か違った変化が起こると、止まってしまう現象で”暴走”しません
③ 原子核分裂反応のように、有害な何万年にも及ぶ放射性廃棄物は生成されません

この新しい”核融合の火”を持続的に燃やすことが出来れば、地上に「太陽のエネルギー」を得ること
すなわち、レーザーで太陽の内部に近い圧力を生み出し、核融合エネルギーを実現
できるようになるのです!

実用化のカギは、より効率的に繰り返しレーザーを照射できる装置、核融合反応で出た熱を取り出す設備、の研究開発

とはいっても”核融合の火”は、まだ点火したばかり…

”未来のレーザー核融合炉”では、1秒間に数個の速さで炉内に燃料ペレットを打ち込んでレーザー光照射を繰り返します。炉内では、その照射のたびに核融合反応が起こり、そこで生じる熱エネルギーを取り出して発電機のタービンを回転させることで、電力が得られます。その電力の一部は、レーザー装置などの運転のためも再利用されます。

ですが、今回”点火”できた実験では”1日に1回の頻度”で起こしている反応を将来的には”1秒間に10回以上”起こすことが必要なってきます。

そのため、レーザー核融合炉を実用にするには、より効率的に繰り返しレーザーを照射できる装置や、核融合反応で出た熱を取り出す設備が、研究開発され完成する必要があります

阪大レーザーエネルギー学研究所、世界一の効率で太陽内部200億気圧の極限状態を地上に実現

 前者のより効率的に繰り返しレーザーを照射できる装置でリードしている、日本の研究所があります。”大阪大学、レーザーエネルギー学研究センター”です。

世界一の効率で太陽内部の10分の1、200億気圧の極限状態を地上に実現しています。
従来通りの中心点火に対し「高速点火」では、まず
① 1ナノ秒のレーザーで燃料を高い密度に圧縮し、プラズマを発生させます。
② 1ピコ秒のレーザーで圧縮した燃料を瞬間的に加熱します。
この2段階方式を用いることで、従来よりも10倍も高い効率でプラズマを最大2,200万度まで加熱でき、太陽内部に肉薄する200億気圧を生み出すことに成功しました。

夕陽に走る

レーザー核融合研究で最も進んでいる米国に比べて、5倍程度の効率で超高温・超高圧力のプラズマの生成に成功しており、世界一の高効率でレーザー核融合実現に向け大きく前進しています。

日本の大学の研究開発が、世界各国との共同研究も後押し、さらにブレークスルーを起こすことが期待されています!

”太陽を地上に!”持ってこようという、神様もビックリするような試みが、着々と進んでいるのです!

レーザーによる”核融合の火”でホモサピエンスは最終進化!?

 いかがでしたでしょうか

レーザーによる”核融合の火”の点火と、これからの未来のシナリオについて

まだまだ、”新しい火”は、大変に小さいですが、レーザー核融合炉が”実現化する未来”においては
とてつもなく大きく「社会を変革できる可能性」を秘めているといえますね!!

そして、”点火”によって照らされて、暗がりが徐々に見えてきますよね!

半導体の製造には、リソグラフィーという「基板を部分的に露光させ、回路パターンを焼き付ける技術」が使われています。光は波長が短ければ短いほど細かいパターンを印刷することができるため、リソグラフィーに使う光の波長を短くすることに、レーザープラズマ光源がすでに一部応用されてます。

また、レーザーを使うことで太陽の圧力を再現できます。実験室の中で「太陽の内部が作り出せる」ことで目の前に”星の内部”をつくり出せます(実験室宇宙物理学)

ここでは描ききれないような、応用例未来の風景がそこには広がっているでしょう

サヘランでなくても、この”新しい火”によって、明るい未来が照らしだされてくるような
感覚
がして、ウキウキしてくるのではないでしょうか!?

みなさん、最後までご覧いただきありがとうございます


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